シリーズ『おすすめの1冊』第26回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。
今日、ご紹介するのは、宮部みゆきさんの「ステップファザー・ステップ」。
目次
『ステップファザー・ステップ』宮部 みゆき
主人公はプロの泥棒である。あるとき彼は、侵入直前に雷に打たれて倒れてしまう。それを助けたのは双子の中学生、直と哲だ。
「あなたはプロの泥棒でしょう?」「僕ら二人くらい面倒みられない?」
助けてくれた双子には両親がいない。別に孤児というわけではない。彼らの両親は数か月前に二人そろって愛人を作って、しかも同じ日に出ていったのである。二人とも、妻が、夫が面倒を見てくれている。と思い込んでいるのである。また、突拍子もない設定だなと思う次第だ。本当に面白い。
しかし、泥棒としては二つ返事とはいかないだろう。はじめ、彼は渋るのだが、双子は彼の指紋を取っていた。「僕たちあなたの指紋をとっちゃった。」「ねえ、前科あるんでしょ?まずいよね?」「またムショに入るの、イヤじゃない?」……末恐ろしい双子ちゃんである。
そして、双子と彼は7つの事件に巻き込まれる。一筋縄にはいかない双子と裏家業の彼のユーモラスな会話と、事件が解決していく気持ちよさがたまらない。