【シリーズ】おすすめの1冊『高校入試』湊 かなえ

こんにちは、りゅうまです。

シリーズ『おすすめの1冊」第50回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのは湊かなえさんの「高校入試」。

『高校入試』湊 かなえ

 入試の準備をしていると、「入試をぶっ潰す」と書かれた張り紙が見つかった。その日は、いたずらだと判断し、流した。
 入試当日は順調に進み、無事に終了すると思われたその時、受験生のポケットから携帯電話の着信音が教室に響いた。運の悪いことに、その受験生は市議会議員の娘だった。さらに運が悪いのは、同じ教室内に町内会長の息子が受験している。クレームは確実だろう。まだ、悪いことは続く。放課後には、受験番号46番の答案が1枚足りないことが発覚する。出てきたと思ったら、白紙の答案。また、しばらくすると町内会長が満点の答案が落ちていたと学校を訪れてくる始末。名前はない。しかも、46番は、ほかの答案ですべて満点をとっていることに気が付き、現場は混乱する。
 そして、誰の仕業なのか採点中の校内の様子がネットの掲示板で実況中継されている。
 町内会長や市議会議員からのクレーム。いったい何から処理をすればよいのか。首謀者は教員なのか、生徒なのか、保護者なのか。
 
 入試を潰す目的は何なのか。高校入試に振り回される人間たち。自分は関係ない、早く帰りたい、あとは上の仕事だ、無責任、責任転嫁。くやしさ、正義、妬み、親への落胆。それぞれの背景、それぞれの人間性が深夜を過ぎた高校で少しずつあらわれていく。いろんな立場の人間から次々と描き出されていく感情が、脳をかき乱し、焦点を分散させてしまい、核心に近づけさせない。
「人間の本性をえぐりだした」とはまさにそうだ。

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