どうする?あの人の困った行動NO.1-3―「言われて動く」から「自分で動く」へ『フェーディング』テクニック―【行動分析研究所】

こんにちは、りゅうまです。

応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。

どうする?あの人の困った行動NO.1-3

行動分析研究所
―「言われて動く」から「自分で動く」へ『フェーディング』テクニック―

前回の「もう少し考えたい人へ」

まま子の息子、ララ男は小学6年生です。中学生に向けて宿題以外にも勉強してほしいと思っています。でも、ララ男はゲームばかりしています。しかも、お菓子を食べながらです!もちろん「勉強しなさい」は通じません。ララ男に勉強をさせるにはどうしたらよいでしょうか?

 これが先週の問題でしたね。もちろんいろいろ方法はありますが、せっかくなのでトークンエコノミー法で解決したいと思います。

 この文章でわかるのは、ララ男はゲームとお菓子が好きということです。好きなこと・好きな物は行動を促す道具でしたね!そして、トークンエコノミー法は「物で釣る」方法!

・人を動かすアイディア

 「勉強したら、ゲームしていいよ。」や「勉強したら、お菓子買ってあげる。」がいいかもしれませんね。

例えば、

まま子

まま子
今日のおやつは勉強したら買ってあげるね。

ララ男

ララ男
宿題は終わってるよ。

まま子

まま子
今日から宿題以外にもしてほしいの。自分で決めていいから。

ララ男

ララ男
……わかった。じゃあ、算数ドリル1ページね。

まま子

まま子
(少なっ!2問しかないし……)わかったわ。頑張ってね

 こんなイメージです。とにかく、お子さんにとっての嬉しいことを探しましょう!僕が小学5年生の頃ならゲームセンターの「ムシキングを一回やらせてあげる」というと勉強していたと思います。

ワンポイント!

 自分で量を決めさせることも大切です!自分で決めたほうがモチベーションを維持できます。
 たとえ少ない量を提示されても認めてください。徐々に量は増えていきます。というより、増えるようにこちらがどんどん仕掛けるんですけどね(∀)

いよいよフェーディングへ!!

 お待たせしました。トークンエコノミー法(以下トクエコ)だけじゃ意味がないとか言っておいてここまでじらしてしまいました。(すみません!)

 実はまま子さんには先にフェーディングのテクニックを教えておいて、実践してもらっていたんですよ。では、ちょっと見てみましょう!

トクエコ法

前回のあらすじ
 なんにも家事をしないどころか、「手伝って」といっても逆切れする夫に対して苛々していたまま子。抵抗しつつもトクエコ法とフェーディングを使ってみることに。

まま子

まま子
しょうがないな。

昭和

昭和
(あれ、今日はしつこくないぞ)

まま子

まま子
じゃあ、ビールおごるから風呂掃除と洗濯手伝って。だめ?

昭和

昭和
……いいよ。(ラッキー!でも、ここまでしてお願いしてくるなんて)

ひとまず、昭和の重い腰を上げることができましたね。トークンエコノミー法は0を1にする方法でした。

フェーディング

思った以上に不器用な夫。見ていて結局、苛々している自分がいる。

まま子

まま子
(これなら、私がやった方が早いな~。でも、あの旦那がやってくれているんだもん。続けていたら上手になるはず。)

昭和

昭和
洗濯は、ここにあるものでいいの?

まま子

まま子
うん。お願いね!

まま子 風呂場を見に行く。

まま子

まま子
パパ!

昭和

昭和
なに!?(え、なにかまずかったかな。細かい事言われたらめんどくさいな~)

まま子

まま子
お風呂ぴかぴかじゃない!ありがと!!

昭和

昭和
え!そ、そう?普通にしたんだけど。

まま子

まま子
パパは私より力が強いからかもね!ありがと!

(まま子、自分の仕事を終え、洗濯ものたたみに合流)

まま子

まま子
こっちは片付いたから洗濯もの手伝うね。……え!もうこんなにたたんでくれたの!?早いね!しかもこのタオルめっちゃ丁寧にやってくれてるね!

まま子

まま子
よし!洗濯もの終わり!!こんなに早く終わるなんてゆっくり買い物できるわ。ビールなにがいいの?

To be continued.

解説

 まま子さんは、動いてくれた夫に対して、褒めたり感謝したりしています。この褒める、感謝することがとても大切です。人は誰かの役に立ったという感覚が大好きです。また、褒められることも大好きです。
 つまり、これを続けると「家事を手伝うと、褒めてもらえる、認めてもらえる。」ということを知ります。

・結局フェーディングってなに?

 フェードアウトなんて言葉を聞きますよね

 トクエコは物で釣る方法だから、それだけでは「物を与えないと動かないダメ人間」になってしまいます…。

 そこで物欲よりも強い嬉しいことを与えて自分から行動するように物で釣る方法をフェードアウトしていこう!という話だったんですよ。

・物欲よりも強い嬉しいこと?

 なぜ、これが成立するのかというと、人に認められたいという欲求をくすぐることは物欲なんかよりよっぽど強い快感を生むからです。子どもでも大人でもその点はおなじなのです。妻の支えになったという実感はこの上ない喜びなのではないでしょうか。

まま子さん宅のその後

 

りゅうま

りゅうま
トークンエコノミー法とフェーディングはいかがでしたか?

まま子

まま子
最初は、抵抗しました。ビールが大好きな人ですから、ビールのために家事をされると気分が悪いなと思っていましたから。

りゅうま

りゅうま
いま旦那さんの様子はどうですか?

まま子

まま子
はい、褒めたのがパパには絶大だったらしく、3回目には自分からやっていました。ビールを買わなくてもよくなったんです。始めこそ、やり方に口を出したくなりましたが我慢しました。でも、最近は手際もよくなってきて本当に助かっているんですよ。

りゅうま

りゅうま
それはよかったです。見事に旦那さんは、ビールという物がきっかけで動いていたのが、自分で動くようになったわけです。まま子さんは、今でも褒めていますか?

まま子

まま子
いえ、1か月たちますが、もう自分から気付いたり、風呂掃除おわった?と声を掛けたりしてくれるようになりました。ビールよりはましだけど、ずっと褒めるのも疲れるなと思っていたので、これにはびっくりしました。

りゅうま

りゅうま
ふふふ。旦那さんは、本当に変わったんですね。

まま子

まま子
あ、でもありがとうは毎回言ってますけどね。

補足
 物欲を上回るためにフェーディングは褒めることが必要ですが、手伝うことが習慣化されれば褒めることでさえ必要がなくなるのです。繰り返すことで無意識に「これは、家族のために必要だな」と自分で感じられるようになるのです。

前回と今日のまとめ

  • まずは行動してもらうために物で釣りましょう!
  • 物で釣った後は、相手を褒める、感謝することで習慣化!
  • 自分から動くようなるまで褒め方を工夫してみましょう!

もっと考えたい人へ

  1. ララ男は、「勉強したらおやつを買ってあげる」とまま子に言われたので、おやつのために宿題だけでなく算数や国語など毎日自分で決めて勉強をしました。でも、このままでは、おやつがないと勉強しません。もし、成長しておやつに興味がなくなったら勉強しなくなるでしょう。どうやってフェーディングしますか?
  2. おやつのためとはいえ、勉強した成果が現れました。前回60点だった算数のテストで70点をとってきたのです。どのように褒めますか?

コメント大募集!

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ぜひ、お寄せください!
 

次回

どうする?あの人の困った行動NO.1-4
―強化の法則―

 前半はポジティブアプローチ・トクエコ・フェーディングをまとめていきます。そして、後半はついに応用行動分析学についてわっかりやすく説明しますね!
 この行動分析とはなんなのか、今後はどんなことをするのかなどなど、次回はちょっと踏み込んでいきますよ~!!

追伸
 相手の行動を当たり前と思ってはいけない。たとえ自分が当たり前にできること、ほとんどの人が当たり前にできていることでも、もしその人にとって「できるようになったこと」なら、努力したね。頑張ったねと言ってあげてほしいのです。僕が自転車に乗れるようになったのはほかの人よりも遅めでした。でも、「その年なら当たり前だよ」とは言ってほしくありません。もしあなたが、毎日家事を頑張っている、仕事を頑張ているのなら僕はこう言いたい。「他人のためにそんなに頑張ってくれてありがとう」と。
 「世界は誰かの仕事でできている。」僕の大好きな言葉の1つです。

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