こんにちは、りゅうまです。
応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。
どうする?あの人の困った行動 No.3-1
行動分析研究所
―無視をするって効果あるの?―
まま子、ララ男、弟のカカ男はスーパーで買い物をしています。しばらくして飽きたのか、ララ男とカカ男が遊び始めました。
どのように声を掛けて遊びをやめさせますか?
- ポジティブアプローチでの言葉かけをするなら?
- デメリットを提示して言葉かけをするなら?
- 具体的なしてほしい動作を伝える。
解説
今回は3パータンです。
①の例
「家に帰ったら遊んでいいよ。」
ポジティブアプローチは、「お店では遊びません。」といいたいところぐっと、我慢して、「○○したらいいよ。」とポジティブに伝えることでした。
②の例
「遊ぶならお菓子買ってあげないよ」
デメリットを見せて、行動を抑えるやり方でした。
③の例
「お店では歩きます。」
「あと少しで終わるから、あそこに座ってなさい。」
「ママのそばから離れないでついてきなさい。」
など、走らずにどうすればよいのか伝えるという方法でした。
しつけといっても、こんなにやり方があるのです。もし、いろんな対処方法を知っていればその分お母さんのイライラも減るのかなと思っています。ぜひ試してみてください!
では、今日のテーマへ!!
おやおや?どうやらまま子さんの次男、カカ男が泣いていますね。何かあったのでしょうか。
こんな場面ありましたよね!嫌なあだ名をつけてくる奴。ちっとも面白くないのにしつこいんですよね~。
さて、子ども同士のトラブルで、お母さんがよくするアドバイスの1つが無視しなさいだと思います。でも、これって効果あるのでしょうか。意外と効果を実感された方は少ないのかなぁと思います。
でも、無視はすごい特効薬なんですよ!ただし、忍耐も必要という弱点があるのです。では、カカ男とまま子の会話の続きを見ましょう。
さてさて、困りましたね。カカ男はずいぶんナーバスになっています。無視をしても、どんどん言ってくるんじゃ、カカ男もたまったもんじゃないでしょう。
無視の効果と弱点
結論から言います。無視をすると次第に相手の行動は抑えられます。ただ、いじめ問題に無視は適さないのです。カカ男が無視し続ければいずれ、いじめっ子たちは何も言わなくなるのです。
「でも、カカ男は無視していたでしょ?でも、それがかえってエスカレートして、挙句に手も出されていましたよ?」
実はここに無視の隠れた効果といじめの対応に適さない理由が隠されているのです。
お気づきですか?そうです、無視をすると一度エスカレートして収まっていくという一つの波があるのです。だから、いじめ対応には向かないのです。嫌なあだ名など、幼いいじめなら長期的には、ほぼ確実に収まります。しかし被害者に、エスカレートした状態でも無視を続けろという過酷な時期が出てしまうのです。
この無視を消去と言います。そして、エスカレートすることを消去バーストと言うのです。
消去の身近な例
例えば、いつもはスッと開く扉があります。いつものように、その扉を開けようとするとなぜか、開きません。あなたはどうしますか?
- あきらめる。
- 扉をガタガタさせる。
おそらく②→①の順番で行動するのではないでしょうか?
解説しますと、まず、扉を「押す」という行動は、「開く」というメリットによって、強化されています。
しかし、ある日突然、開かなくなったのです。「押す」という行動が無視された瞬間です。でも、それですぐに諦める人は少ないでしょう。鍵穴を探したり、扉を何度も「押して」みたりするはずです。この鍵穴を探し、何度も「押す」という状態はまさに、普段の行動がエスカレートしています!
他にも、テレビがつかないときも、リモコンを何度も押してしまいますよね。(笑)
カカ男の話に戻しましょう。カカ男は、「カカ男豆」と呼ばれたときは無視をしていました。でも、次第に「カカ男豆」と連呼され、押されてしまった。そして、おそらく、泣いたり、先生に言いつけたりしたのでしょう。
もしも、無視をしきれずにエスカレートした状態で、反応してしまうと、そのエスカレートした行動を強化してしまうので要注意です。
つまり!カカ男はエスカレートした状態で反応してしまった。(幼稚園の子が耐えきれるわけありませんね……。)おそらく、次からはもっとひどいことになるでしょう。
カカ男のできることは2つです。
1.消去の方法を試す。
いじめを耐え抜いてひたすら無視を続ける。(一切反応してはいけません。)
2.相手の行動にデメリットを与える。
・先生に伝えて、変なあだなで呼ぶたびに確実に叱ってもらう。
・相手が言ってくるたびに、言い返す。
おそらく、幼稚園児のカカ男にできるのはこのくらいでしょう。どれも難しいかもしれません。なので、親はしっかり対処して場合によっては環境を変えることも考えるといいかもしれません。
結論
- 無視された行動は、一度エスカレートしてから収まる。
- いじめに対して無視しなさいとアドバイスすることは、ひどくなってもひたすら耐え忍べしと言っているようなもの
- 最後まで無視できることは大いに使うべき。なぜなら、副作用がないから。
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次回
どうする?あの人の困った行動 No.3-2
―無視が使える場面ってあるの?―
さて、いじめには使いづらいというお話と、いったんエスカレートするから気を付けて!というお話をしました。じゃあ、どういう場面で無視を使えば相手の行動を変えられるでしょうか?