どうする?あの人の困った行動 No.13-3―幼児期の子どもたち③―【行動分析研究所】

こんにちは、りゅうまです。

応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。

どうする?あの人の困った行動 No.13-3

行動分析研究所
―幼児期の子どもたち③―

はじめに

自分の思い通りにいかないと、噛んだり叩いたりしてしまう子っていると思います。
親だとしたら、「愛情不足かな」とか「発達障がいかも」と自分の子育てに不安になるかもしれません。でも、大丈夫です。心あたりがなければ愛情不足なんてことは、ありませんよ。そもそも、この記事までたどりついた時点で結構、調べられている方だと思います。僕からのアドバイスは本当に簡単なものです。今のあなたの子育てに少し取り入れてみてください。小さいことですが、大きく変わる可能性があります。

今日のお悩み

4歳の男の子ですが、幼稚園での乱暴ぶりに困っています。先日、幼稚園から呼び出しがありました。息子は毎日のように、お友だちを押したり叩いたり、座って何かするときも勝手に立ち歩いたりして、まったく落ち着きがなく、他の親ごさんから苦情も何件か来ていて先生たちもお手上げだとのこと。「何度言っても、またすぐに乱暴を振るいます。どこかおかしいのでは?」とも言われました。確かに、家でも落ち着きがなく粗雑ですが、小さい子には優しいのです。息子は毎日幼稚園に行くのが楽しいようですが、この子のせいで登園拒否になった子もいるとか。これから、どうように息子を育てていけばいいでしょうか。また、幼稚園での対応についてもアドバイスをいただければと思います。

引用元:赤ちゃん&子育てインフォ 性格・親のかかわり・育て方

行動分析の視点から

多くの方が、暴力をふるう原因を考えがちです。なぜ、攻撃的なのか?愛情不足?発達障がい?など専門家ならいろいろ出てくるでしょう。しかし、原因を考えても解決策に結びつかないことが多くあります。もちろん、原因を解明して解決に迫ることも大切なことですが、もっともっと考えてみて欲しいことは、「この子が暴力をふるうと、この子にとってどんなメリットがあるのか。」ということです。原因ではなく、目的を考えるという見方があるとおもしろいですよ。

では、この子が暴力をふるう目的をいくつか考えていきましょう。

目的① 暴力を振ることで欲しいものが手に入る。

例えば、自分の欲しいおもちゃを他人が使っているとします。すると、おもちゃを使っている子を叩くことで、おもちゃが手に入ります。そのあとで叱られたとしても、叩いたことで一瞬でもおもちゃが手に入ったことになるので、叩くとおもちゃが自分のものにできるという学習をしているのかもしれません。

対処方法

暴力で得た、おもちゃは取り上げるようにします。暴力を振るっても思い通りにいかないことを学習させるためです。
ただ、この対応って普通ですよね。誰もがするしつけの一つだと思います。もし、おもちゃが欲しくて暴力をしていたのなら、叱られて、おもちゃを没収された時点で暴力行為は減るはずです。なので、僕は次の要求の可能性が高いと思います。

目的② 暴力をふるうことで、先生や親が注目してくれる。(かまってくれる。)

おそらく暴力をした時点でその子を叱るでしょう。この叱る目的は、嫌子出現の弱化を狙っていますね。つまり、暴力をすると叱られるから、暴力をしない。という学習をさせることを子どもに狙うわけです。しかし、“何度言っても、すぐに乱暴を振るいます。”とあるので、その子にとって叱られることが嫌子(デメリット)になっていない。ということが考えられます。むしろ、メリットになっている可能性があります。

本来注目してほしいところで注目されなかったり、思うように気持ちを伝えられなかったりすると、「僕のことを見て!」という要求が暴力として現れることもあります。
どういうことかと言うと、ほかの子に暴力を振るうと先生は叱りますよね。その叱る時は、おそらく先生とその子が1対1で関わることになります。その1対1での関りを求めて、その子は暴力を振るっているのかもしれません。

まとめ

大人が叱る目的は次です。

暴力を振るう→先生に叱られる。→ 暴力行為が減る。
暴力行為を減らすために、叱ります。

でも、その子の内面は
暴力を振るう→先生に叱られる(けど、関わってもらえる。)→嬉しい。
とにかく先生と1対1で関わってほしい!という目的があり、暴力をすることで目的を達成している可能性があります。

対処方法
以下の対処方法をセットで行ってください。

  1. その子と1対1の時間を作る。
  2. 注目する場面を増やす。
  3. 他の子だけを心配する。

大勢いる中で一人に時間をかけることはできません。ですが、例えばその子の目線に合わせて挨拶をすることはできると思います。こうした、数秒のやりとりをちょっぴり丁寧にするだけでもその子の注目されたい!という要求を叶えることができます。

これは、幼児期のプロは言うことがないと思います。が、一応確認しますね!その子が遊んでいるときや活動中にどのくらい褒めたり、認めてあげたりする言葉かけをしていたかなと振り返ってみてください。
この①と②はご家庭でもぜひやってほしい関わり方です。肯定的な言葉かけができるように小さなことでも気づいてあげて欲しいのです。

これは、幼稚園や保育園が主にできることですが、公園で遊んでいるときに暴力をふるってしまったら試してみてください。

説明すると、消去の手法です。具体的には、手を出されたほうだけを心配して、暴力を振った方には何にも、言葉かけをしません。注目してほしいという要求だった場合、いかなる言葉かけもその子のメリットとなります。そこで、手を出されたほうにだけ注目することで、メリットがなくなるのです。とはいえ、場面によっては叱る必要も出てきますよね。例えば、度が過ぎてけがをさせてしまったとか、大ゲンカしたときは無視せず、本人と話すことが大切なのは、当然です。使えると思った場面で無視してくださいね。

あまりお勧めしませんが、番目の対処法も紹介します。
④タイムアウト法です。
暴力をした時点で、別の部屋に移動させ遊びを中断させる方法です。体罰になりかねないので、やるとしたら以下のやり方で、できると思います。

教室の端に椅子を用意し、暴力を振るったらすぐにその椅子に連れていき、座らせます。たとえば、1分だけそこに座ってなさいと、一言伝えるだけです。時間になれば開放します。叱るのでも、諭すのでもなく、ただ、座らせます。目的は遊びの中断です。

脳科学の視点から

次は脳科学の視点から見ていきます。(とはいっても、脳科学の専門家ではないのでかじった知識をご紹介するにとどまります。)

人がいらいらする原因、特に子どもの自制心が育たない原因は2つあります。1つは発達障がいです。しかし、今回のケースではまだ判断ができません。医療機関に行くのも早いとぼくは考えます。医療機関に相談する前に、確認してほしいことがあります。

それは、早寝早起きがどのくらいできているか。ということです。人間の理性をつかさどる脳の部位の発達を促すには、規則正しい生活習慣が不可欠なのです。生活習慣が不規則になると、要求のコントロールができなかったり、いらいらしたりとまさに、今回のケースに当てはまるようになります。また、なかなか夜眠ってくれない場合、朝の散歩をお勧めします。朝日を浴びることと、散歩などの軽い運動がホルモンバランスを整え、身体や脳の発達を促進させます。

もし、夜寝るのが遅いのなら、早めに寝るようにしましょう。理想は8時就寝、6時起床です。無理のない範囲で心掛けてください。
著書成田奈緒子さんの文献には子どもの脳の発達と生活習慣いついてとても分かりやすく書かれていますので、参考になります。

コメント大募集!

皆さんの経験をコメント欄やお問い合わせにて教えていただければお答えすることもできます!
ぜひ、お寄せください!
 

次回

どうする?あの人の困った行動 No.13-4
―もう、ゆびしゃぶりは卒業して!―

指しゃぶりは、たいてい4・5歳で消えていきますが、中には小学校に上がっても止められないというお子さんもなかにはいらっしゃいます。そんなとき、叱ってしまい気がめいってしまう。ということがあると思います。もちろん、2・3回叱って収まるならいいのですが、全然おさまる気配がない……。これだと、余計にストレスを抱えてしまいますね。来週は、叱らずに指しゃぶりをなくす手立てを考えていきましょう!!

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

どうする?あの人の困った行動 No.4-2―知的障がい者の自傷行為について―【行...

どうする?あの人の困った行動 No.13-1―幼児期の子どもたち①―【行動分析研...

どうする?あの人の困った行動 No.9―旦那が子どもと関わるのが下手……。なんと...

どうする?あの人の困った行動 No.11-2―授業中の私語を止める方法②―【行動...

どうする?あの人の困った行動 No.12-1―職場の悩み―【行動分析研究所】

どうする?あの人の困った行動 番外編―のび太はだめじゃない。大人がだめすぎるドラ...