こんにちは、りゅうまです。
応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。
どうする?あの人の困った行動 No.15
行動分析研究所
―死人テスト―
はじめに
「死人テスト」ってなんかブラックな名前ですが、この考え方が重要なんですよ。
意外と僕たちが普段している指示には、行動と行動じゃないものがあるのです。
例1
じっとしていなさい。
例2
こちらを向いて、話を聞きなさい。
例1と例2では、どちらかが行動で、どちらかは行動とは呼べないものです。わかりますか?正解は例1が行動ではなく、例2が行動です。なんとなくわかると思います。次はどうでしょうか。
例3
ここで待っていなさい。
例4
本を読んでいなさい。
どうでしょうか。なんとなくわかるけど、どっちも行動のようにも見える。という方が多いのではないでしょうか。答えは、例3が行動ではなく、例4が行動です。例4が行動ということはわかると思います。なぜ例1と例3が行動ではないのでしょうか。
見分ける方法
まずは見分け方です。ここで「死人テスト」という言葉が出てきます。簡単です。あなたの指示は、死人にもできるものですか?できないものですか?という質問をします。死人にもできるなら、それは行動ではありません。死人にできないなら行動と呼べるのです。
例1と例3は死人にもできます。要は動きがないものを指すということです。もちろん、「動いている子がじっとする。ということであれば、それは行動だ!」という反論が聞こえてきますね(笑)。僕もそう思っていました。ただ僕の答えはこうです。
死人テストはあくまで目安です。大切なことは、行動分析をする際に、自分が目指す行動が分析しやすいものかどうかです。先週の「忘れ物をしない。」にも同じことが言えます。
忘れ物をしないということは、そもそも死人にできるかどうかという質問が、無意味な気がしませんか?だって、忘れ物をするしない依然に、そういう状況になることが、一定の行動を伴っているので、死人に当てはめること自体に違和感があるのは当然です。だから、そこに固執しないでください。
これは行動かどうかを迷ったら、死人テストをしてみるのも1つの方法です。ただ、もっと気楽に、「忘れ物をしないようにする。」では分析しづらいから、忘れ物をしないためにするにはどんな行動が必要かなと考えるくらいでいいのです。
では、練習をしましょう。
まずは、「走らないの!」という指示が行動か、そうでないかを考えましょう。
対応
「走らないの!」という指示は、行動ではありません。これは死人テストでも確かめられそうです。走らないことは死人にも……できますね。そこで、まま子の指示は、「歩きなさい。」もしくはもっと具体的に、「ママのペースに合わせて歩いて。」という方がよいですね。
まとめ
- 死人にできれば行動ではない。死人ができないことなら行動。
- 基本的に否定分(○○しないようにする。)は分析しづらい。
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次回
どうする?あの人の困った行動 No.16
―うちの子、褒められることなんてないのよ―
褒めることは、行動分析において重要です。しかし、中にはうちの子どもは悪さばっかりしていいところがない。と嘆く親御さんもいらっしゃるでしょう。逆に毎日成長しているようだ。と感じている親御さんもいることでしょう。もしかしたら、両極端な例だったかもしれませんが、褒めたいけど、褒めるところがあまりないという親と、成長していて嬉しいという親はいますよね。この差は何だと思いますか?子どもの能力の差でしょうか。どう思いますか?