どうする?あの人の困った行動 番外編―アンパンマンのやり方じゃ平和は維持できない―【行動分析研究所】

こんにちは、りゅうまです。

応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。

どうする?あの人の困った行動 番外編

行動分析研究所
―アンパンマンのやり方じゃ平和は維持できない―

はじめに

ちょっとふざけたようなタイトルですが、ぼくは大まじめに彼らの行動について分析していくので、そのギャップも含めて楽しんでください。

現状

ばいきんまんは、おのれの私利私欲のために秩序を乱すようなことをして周囲に迷惑をかけています。そこにアンパンマンがやってきてパンチなどでやっつけるというのが物語の核です。さて、ばいきんまんが私利私欲のために場を乱したり、他人の気持ちを考えずに行動したりしてしまうのはなぜでしょうか。

次の3つが考えられます。

  1. わざといたずらをすることで注目してほしい。
  2. 前頭葉が未発達で自分の欲望をうまくコントロールできない。
  3. 発達障がい(高機能自閉症やアスペルガー症候群)

は、考えられなさそうです。理由は、ばいきんまんの悪さにはしっかりと動機があるからです。例えば、欲しいものがあるとか、ドキンちゃんに頼まれたとか、腹がたったからとかです。

前頭葉が未発達という点は、年齢が幼いか発達障がいかのどちらかが考えられます。まず、社会性は親を介して育まれます。そして、少しずつ同年代に興味をもち始めて、他人と物の貸し借りができるようになるのが5歳くらいと言われています。ばいきんまんは5歳かと言うと、言語の流暢さを鑑みると5歳以上であると考えられます。これらの情報から、が考えられます。

さて、アンパンマンは、なにかあるたびにアンパンチを繰り出してばいきんまんをやっつけます。ばいきんまんは「おぼえてろよ!」と捨て台詞をはいて終わります。しかし、再び悪さをします。

アンパンマンの殴るという方法は、根本的な解決になっていないことがわかります。もちろん、危機的状況ですから、ひとまずやっつけるということは大切です。被害を最小限に抑えることは大切です。しかし、最も重要な課題はばいきんまんが繰り返し悪さをしないようにするということです。

アンパンチ嫌子出現の弱化

さて、もし、アンパンマンが「ばいきんまんが2度といたずらしないように、殴ったりして僕にはかなわないことを証明しているんだ!という主張をしたとしましょう。つまり、抑止力ですね。行動分析的に言えば、嫌子出現の弱化です。嫌なことが起こるから、悪さはしないという心理にさせるのが嫌子出現の弱化の理屈です。何度も言ってきたことですが、それで行動が変われば問題ありません。しかし、ばいきんまんの悪さは収まりません。
ということは、アプローチ方法を変える必要があるということです。

嫌子出現の弱化は、相手の行動を抑止させますが、一時的である場合が多いのです。
ですから、ばいきんまんには良い行動をするメリットを感じさせる必要があるのです。

さて、行動分析における基本的なメリットは褒めるということでした。しかし、ばいきんまんの場合、褒めるというメリットを提供するという方法は、初めは効果が薄いと考えられます。前頭葉が未発達という仮定ですので、まだ目の前の欲望が最優先されてしまいます。褒められるということがメリットと感じるようになるためには、もう少し経験を積んで脳を発達させる必要があるでしょう。そのため初めは、物がもらえるなどわかりやすいメリットを用意した方がいいのです。そこから少しずつばいきんまんのペースに合わせた社会的スキルを身に付けられるようにしていくことが必要です。
アンパンマンよ、殴るだけじゃ平和にならないぜ。

※以前、アンパンマンの暴力的なシーンに関してテレビ局に苦情が入ったそうですが、今回の記事はその意見に賛同するものではありません。そもそもぼくはアンパンマンを教育番組とはとらえていません。今回の記事はエンターテインメントであるアンパンマンをくそ真面目に、教育的アプローチをしようという試みです。繰り返しますが、エンタメであるアンパンマンという作品を否定する旨は一切ございません。子どもたちが夢中になって見ることができる素敵な作品だというのが私の感想です。

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次回

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