【シリーズ】おすすめの1冊『モモ』ミヒャエル・エンデ

こんにちは、りゅうまです。

シリーズ『おすすめの1冊」第54回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのはミヒャエル・エンデさんの「モモ」。

『モモ』ミヒャエル・エンデ


時間どろぼうとぬすまれた時間を人間に
とりかえしてくれた女の子のふしぎな物語

プロローグ

 モモは突然町にやってきました。親はいません。でも、町の人が力を合わせてモモの居場所をつくりました。
 モモには不思議な力があります。それは、人の話をじっくりと聞くことです。モモに話を聞いてもらえば悩みは解決します。また、子どもたちは、モモと遊ぶといろんな遊びが次から次へと湧いてきて退屈しません。町は貧しくてもモモのおかげで幸せでした。

灰色の男

 ところが、灰色の男たちがやってきて、幸せは遥か彼方に行ってしまいました。
 彼らの欲しているものは、時間です。人々から、時間を盗む時間泥棒なのです。
 ある日、床屋のフージー氏は「おれの人生は、はさみと、おしゃべりと、せっけんの泡の人生だ。」「おれだって、もしもちゃんとした暮らしができていたら、いまとはぜんぜんちがう人間になっていただろうになあ。」と思います。「でも、ちゃんとした暮らしというのがどのようなものなのかフージー氏は考えていません。」その時、灰色の男が一人、やってきました。時間貯蓄銀行から来たというその灰色の男は、「あなたは、時間を浪費している。」と言います。
 「あなたが70歳まで生きるとして、22億752万秒あります。そのうち、睡眠時間や食事の時間で4億454千秒使います。さらに、1人にかける仕事の時間も長すぎです。また、母親を施設に入れれば介護に使う時間も節約できますね。また、ダリア嬢という方に毎日花を持って行っていますね。それも全部やめて1日二時間でも節約し、時間貯蓄銀行に預ければ利子がついて269億1712万秒になります。」
 灰色の男のアドバイスは、「まず仕事を一人15分で終わらせる。ダリア嬢と会う日を減らす。お母さんを施設に入れる。」ということでした。
 男が去った後、フージー氏は言われたことをすべて行いました。すると、彼はだんだんと怒りっぽい、落ち着きのない人になっていきました。
 このフージー氏のような人は次第に増えていきました。彼らはとてもお金持ちでいい服装をしています。けれども、いつも不機嫌でとげとげしい目つきでした。
 そして、モモの周りも次第にその波にのまれて行ってしまいます。

お金を得て、失う

 時間を節約して働けば、お金が手に入る。けれども、彼らは怒りっぽくつねに不機嫌。幸せとはなにか、という問いと暇のない現代社会とを照らし合わせて警鐘を鳴らします。
もちろん、仕事に打ち込むことを否定しているのではありません。ただ、フージー氏のように、なんとなくお金や名誉を欲した結果、大事な仕事にやりがいを失っては元も子もないのです。
 酒屋のニノは、昔は酒1杯で長居するおじいさんがくる店でしたが、ニノが時間を貯蓄するようになって追い出してしまいます。代わりにとても回転率の良いお店になりました。でも、ニノはこう回想します。「あのじいさんたちが俺は好きだったんだ。でも、時代が変わったんだ。」と。また、モモと最も仲の良かった観光ガイドのジジは、昔は自作の物語で人々を楽しませていましたが、テレビや雑誌に注目されるとたちまち忙しくなってしまいました。そして、モモと会う暇すらなくなってしまったのです。それもまた、灰色の男たちの仕業なのです。

決めるのは自分

 ジジは、灰色の男たちの真の目的を知っています。けれども今手に入れている、名誉とお金を手放す勇気もありません。ジジもまた、「人生で一番危険なことは叶えられないはずの夢が叶えられてしまうことなんだよ。もうぼくは前のぼくではないんだ。」と自虐的に語ります。
 モモはジジの話をじっと聞きました。何とかしてあげたいけど、ジジには何とかしようという意思が全然ないこともわかりました。モモにはどうすることもできません。
 そして、もう一つ分かったことは、モモは友達を救うために一人で灰色の男たちと戦わねばならぬということでした。
 

考えること

 あなたの求めているものは、裕福な生活でしょうか。稼ぎのよい仕事ならなんでもよいのでしょうか。子どもは学校で一番の成績を取っていれば安心でしょうか。
 贅沢な食事やお家に住んでいても、喧嘩ばかりの家庭。給料はいいけど、誰にも役に立っている実感のない、自分の成長も感じられない仕事。いかがでしょうか。

 目の前のことしか考えられない人間たちや、自分で考えることをやめた者の末路を見てみませんか?
幸せとはなにか、時間とはなにか。その答えの1つがこの物語です。

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

【シリーズ】おすすめの1冊『保険はこの5つから選びなさい』長尾 義弘

【シリーズ】おすすめの1冊『寿命を買い取ってもらった。1年につき、1万円で。』三...

【シリーズ】おすすめの1冊『好奇心を“天職"に変える空想教室』植松 努

【シリーズ】おすすめの1冊『トワイライト』重松 清

【シリーズ】おすすめの1冊『朝が来る』辻村 深月

【シリーズ】おすすめの1冊『切ない恋愛小説3作品』