シリーズ『おすすめの1冊』第65回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。
今日、ご紹介するのは、伊坂幸太郎さんの「アヒルと鴨のコインロッカー」。
目次
『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂 幸太郎
あらすじ
現在
大学入学前に引っ越してきた青年は、隣人へ挨拶に行く。隣人もまた、若い男だった。そこで、いきなり部屋に誘われワインを酌み交わす。そして、隣人はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてくる。そして、勢いに押されるまま本屋の裏口に来てしまった。
2年前
この町にペット殺しが相次いでいるようだ。ペットショップで働いている琴美にとっては、理解できない話だ。
あるとき、その被害にあったであろう動物を見つけて埋めるため、立ち入り禁止の公園に入ると、ペット殺し3人組と出会ってしまう。そこから、琴美は狙われるようになった。執拗ないたずらや脅しに恐怖と怒りが同時に押し寄せる。
感想
隣人に挨拶にいった青年の「本屋を襲う覚悟がなければ、隣人へ挨拶をしに行ってならない。」という言葉に笑いました。
2年前と現在という2つのパートで物語は進みます。2年前と現在が少しずつ近づいていき、そして、琴美の元同僚である麗子さんと青年が出会い、物語は交差し始めるのです。
「君は彼らの物語に飛び入り参加している。」という麗子さんのこの言葉が、青年の立場や2年前と現在の距離感をあらわしています。