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【シリーズ】おすすめの1冊『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

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シリーズ『おすすめの1冊』第5回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのは川口俊和さんの「コーヒーが冷めないうちに」。

目次

『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

過去に戻れたらいいなって思ったことありますか?でも、戻ってもその場から動けない、場所を選べない、時間がとても短い、そして起こったことは変えられないなどの条件があればどうですか?それなら戻っても意味がないとおもいませんか?
ある喫茶店には過去に戻れる椅子がある。出されたコーヒーが冷めないうちに戻らなければ幽霊になってしまう。さっきの条件に加えてそんなこと言われたらわざわざ過去に戻るなんてばからしいと思いますよね。
 この物語で過去に戻る3人は、別れ際の彼氏、認知症を患った夫、家の家業を継ぐように説得する妹に会いに戻ります。3人はそれぞれ葛藤や誤解がありました。
 
 相手ときちんと向きあうことは簡単なことではないですよね。相手にどう思われるか。どうせこう返事をされる。そう考えて、言いたいことをためらってしまう。だけどそれは自分が傷つかないための逃げなのかもしれませんね。自分の思いを隠すことで前を向けなくなってしまっているのかもしれません。
 ところでなぜ作者は過去に戻ることにこんなに条件を付けたのでしょうか。ぼくなりに運命というものを大事にしている方なのかなと想像しているのですけどね。ぼくは、引き寄せの法則とかも信じているタイプなんですが、作者もそうなのかなと。そう考えると親近感がわいてきます!
 ニーチェも言ってますが、これからの運命は変えることができる。そんなメッセージが受け取れます。自分の選択が運命に影響していくということですが、3人とも過去に戻って話をしたことをきっかけに考え方が確実に変わっています。実際にどう変わっていくのかはわかりませんが、しっかり現実と向き合えるようになっています。もしかしたら、この小説が価値観を変えるきっかけになるかもしれませんね。

最後になりますが、この物語は4部構成です。最後の1部は、未来に行くお話です。

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