【シリーズ】おすすめの1冊『青春夜明け前』重松 清

こんにちは、りゅうまです。

シリーズ『おすすめの1冊」第10回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのは、重松清さんの「青春夜明け前」。

『青春夜明け前』重松 清

あほやなぁ。読んでいてほんとにそう思う。登場人物、あの頃の時分。ぼくはそんなに表立ってエロ全開にしていたわけではないが重なる部分が大いにあった。「俺の空、くもり。」は高校生男子たちの話。高校生はもう性欲の塊と言わざるを得ないだろう。休憩や放課後の話はだれがやったかとかあの公園はよく声が聞こえるとかそんな話ばかりだったなと懐古する。この話は、5人の童貞がいつ卒業したかを嫉妬心を交えながら語ったものだ。最初に卒業した奴の自慢気な話し方。腹立つなあ(笑)。ほかにも変な奴がいる。清水は「言葉で勃つ、文字で勃つ」「字の中に女の入った漢字ならなんでもOKになった」そうだ。そこまでは理解できないが、一方でそこまでする気持ちはわからないでもない。
高校生とは打って変わって小学生の性事情はまだちょっとかわいらしい。「とんがらし」は何をあらわしているか(笑)。小学生はちょっといけないものに触れている楽しさとか、でもやっぱり興味があるけど興奮とかもよくわからないし恥ずかしいけど抑えられない何かってのがあると思う。「とんがらし」は、三人の少年が小屋でこそこそエロ話に花を咲かせている。でも最後はちょっとしょっぱい。さらに大人になった彼らはちょっと苦くなっている。最後に急に現実に引き戻されたかと思ったら、最後の4行でそうかそうかと温かくなる。くさいけどなぜか新鮮に聞こえました。
小学生といえば例えばコンビニのトイレに行くふりをしてチラ見する雑誌コーナーとか、親がいない間にインターネット開いてわかんないままに検索したりして徐々に知識が増えていく。みなさんはどうだったでしょうか。
もちろん、男のあほさはエロばかりではない。少し見栄っ張りな奴。そんな奴に、辟易する奴もいれば、素直に関心を寄せる奴もいる。「横須賀ベルトをしってるかい?」はいわゆる中二病の転校生の話だ。しかもかなりひどい。「流れ物だからな、オレは」が口癖ってだけでもう御察しというか……。しかも転校初日に彫刻刀を机にさして抜けなくなるという何ともあきれるほどふざけたことをやらかす。この流れ者もそうだけど先輩やら、主人公やらもう意地っ張りでしかない。でもそれが男ということなのかもしれない。
「タツへのせんべつ」は友情に満ち溢れた物語。こいつらはとっても素直なんだろうなと笑ってしまうが真剣さも伝わってくる。親友のタツが転校してしまう。そのタツになにかお守りになるものをあげたい。その一心で兄に聞くと好きな女の陰毛が効くという。主人公はなんとか入手できないかと考える。ほら、もう素直さ全開である。最後はやっぱりあほだけど二人の友情を静かに見せてくれた。
せっかくいい感じで終わりそうなんですけど最後に。この「タツへのせんべつ」。中学1年生の話なんです。中学1年生で覚えること。もちろんもっと早い人もいると思います。中学1年生が親友のためとはいえ、女の子の陰毛をどう入手するか考えるとどうでしょうかね。
初めてのときわずかな知識の方も豊富な知識があった方もそれぞれと思います。痛かった時期から快感に変わるときです。鮮明に覚えていますか?人それぞれだとも思いますが懐かしさに出会えると思います。お風呂場でその描写があることを最後に報告して終わります。

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