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【シリーズ】おすすめの1冊『日本国紀』百田 尚樹

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シリーズ『おすすめの1冊』第29回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのは、百田尚樹さんの「日本国紀」。

目次

『日本国紀』百田 尚樹

 日本史の勉強は時代の流れをつかむのが大切だとよく言われるが、実際は流れすぎていて、つかめないということが、しばしばあるのではないかと思う。ぼくの感覚でいうと、歴史はいつの間にか価値観や権力者が変わっているということが多い。
 日本国紀はその時代の移り変わる瞬間を丁寧に抑えている。例えば、保元の乱では、「保元の乱の歴史的意味は、……」や「保元の乱こそ、日本史の大きなターニングポイントの一つといえるのだが、……」といった移り行く時代の瞬間をとらえてくれている。これが非常に読みやすくしてくれているのだ。だから、ぼくは「あ、貴族の時代が終わったんだな」などとひとつひとつ理解しながら次の章にすすむことができた。

 この本で百田氏のメッセージは先祖を誇ってほしいという1点であると思うのだ。それは、日本人がとても勤勉で向学心のある民族であるということを強く訴えているからだ。江戸時代に続いた大火災後の復興や独立後の復興、鎖国により欧米諸国から科学技術で大きな後れを取っていたが、明治に入ってからの凄まじい追い上げなどを取り上げて示している。

 現在の日本人の中には、戦時中の日本軍の行いから日本人に生まれて恥ずかしいと思う人もいる。だが、日本軍の悪行は真実なのか。日本国紀では、GHQの政策により日本が二度とアメリカに歯向かわないようにするため、GHQのすることが正当化されてきたと12章で述べられている。その政策が事実を捻じ曲げ、日本国民に反日感情をもたらしたとしており、しかもその影響は現代でもまだ拭い去れていない。反日感情の例を挙げるなら韓国併合だ。これは極端に意見が分かれている。韓国から奪ったという考えと、韓国も合意の上での併合というものだ。

 ぼくは日本国紀を信頼している。そう言い切ってしまうのは、文章が明確に百田氏の意見と史実を書き分けていたからだ。その中には、歴史書の一文を踏まえた記述があり根拠がある。
 ぼくはまだ、歴史に詳しいとは到底言えないほどの知識しかない。言えば、情報元は高校の教科書と日本国紀、Twitterでの百田氏のコメントとその批判的コメントである。恥ずかしながら、圧倒的に知識が足りない。つまり、どちらが真実なのかがぼくには判断が難しいのだ。
 Twitterでは、参考文献がないということで信憑性がないというものをみた。だが、それだけで真実ではないと耳をふさぐことは違うのではないか。もちろん、参考文献は大切だが、著者がこれだけ自負している本だ。今まで自分が信じていたものが虚または、偏った見方かもしれないと考えながら、再び勉強するのも面白いかなと思うのだが、どうだろうか。
 ぼくは今度、日本を忌み嫌う方の書かれた本を読んでみようかなと思っている。それを含めて、歴史書もいろいろ読めば、より論理的に考えているのがどちらなのか判断できるようになると思うのだ。

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