【シリーズ】おすすめの1冊『カエルの楽園』百田 尚樹

こんにちは、りゅうまです。

シリーズ『おすすめの1冊」第37回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのは百田尚樹さんの「カエルの楽園」。

『カエルの楽園』百田 尚樹


 ソクラテスの国はダルマガエルに侵略され、国を追われることになった。危険のない国に行くため厳しい旅に出た。しかし、そんな楽園など簡単には見つからない。敵はカラスといった獣だけでなく、自分よりも体の大きいカエルまでもが敵なのだ。そして、多くの仲間を失いようやくたどり着いたナパージュは素晴らしい国だった。水やエサはおいしく、天敵がいない。ここは楽園だと思った。


 ナパージュの住人に旅の経緯を話しました。しかし、誰も信じてくれませんでした。「カエルがカエルを襲うなんてありえない。もし、本当だとしたら、それはあなたたちにも非があるのでしょう。」というばかりです。
 ある集会ではナパージュで一番の物知り、デイブレイクが話をしているので聞いてみました。内容は「若いカエルが謝りの心を忘れかけているせいで近隣のカエルが怒っている。このままでは、争いになるので謝りソングを歌いましょう。」というものでした。国民は、自分たちの祖先がヌマガエルの子どもをたくさん食べたという歴史に対して、「謝りの心で償う」ことを常に思っているようでした。
 ソクラテスは誰に対して何に謝っているのかを聞きましたが、みんなよくわかっていません。

 この国のカエルたちは、本当に自分の国のことも恐ろしい外敵だらけの世界のことも知らないようです。そして、なぜナパージュは平和なのかを問うと口をそろえて「三戒があるからだ」といいます。三戒とは『カエルを信じろ』『カエルと争うな』『争うための力を持つな』という古くから伝わる教えで、このナパージュでは破ることが許されないものなのです。
 さらに、ソクラテスが「襲われたときはどうするのか」と問うと、「とことん話し合う。」といいます。ダルマガエルに襲われた経験を持つソクラテスには納得ができません。でも、実際にナパージュは長年襲われていない。その事実の一方で、気になる点が1つ。ナパージュを囲む崖の中腹に恐ろしいウシガエルがへばりついているのです。


 徐々に徐々にウシガエルたちの数が増え、だんだんとナパージュに近づいてきている。にもかかわらず、国民は「三戒」がある限り平和は保たれると思い込んでいるのです。
 ある日、一匹のウシガエルが、とうとうナパージュの崖を上ってきました。けれども元老カエルは気のせいで済ましてしまいます。
 迫りくるウシガエルの前に元老カエルの1匹、プロメテウスは三戒破棄を提案します。
しかし、元老会議は三戒を守る派と破棄する派が対立し議論は進みません。三戒を守ると主張する3匹の元老カエルは、破棄派の答弁を大きい声で邪魔したり、水に入って音を立てたりして聞こうとしません。そこで破棄派は鷹のスチームボートに国を守ってもらうようにお願いすることを提案しました。スチームボートはお互いがお互いを守るという条件を出します。プロメテウスは、それを受け入れるよう提案しますが、デイブレイクや三戒守る派が「スチームボートを守るということは争うということだ」と反発します。ついに国民投票をすることになりました。結果は3票差で「三戒を守り、スチームボートを追い出すこと」に決まりました。
 翌日、ウシガエルの数はさらに増えました。

 そんな中、ナパージュにはウシガエルの恐ろしさと、三戒の非力さを知り、唯一立ち向かえるであろう3匹のカエルがいました。でもそのうちの1匹は、襲ってきたウシガエルに抵抗し、三戒を破ったために元老に死刑にされてしまいました。そして、ついにナパージュの池にまで侵入してきたウシガエルは、オタマジャクシを狙います。それを食い止めた残りの2匹は、ウシガエルを刺激し三戒を破ったとして、目と腕を使えないようにされました。


 強い3匹を自ら失ったナパージュにはもう抑止力がありません。ウシガエルの敵はいなくなり、どんどんナパージュに入ってきます。元老は、「明日には出ていく、こちらから緊張を高めてはならない」と言って何もしません。でも、ウシガエルの侵略は止まらなかったのです。ウシガエルは中央広場までやってきてナパージュのカエルを食べ始めました。そして勇敢な強い2匹が立ち向かいましたが、目も腕も使えないためすぐに食べられてしまいました。もう、ウシガエルを止めるすべはありません。ナパージュのカエルたちは次から次へと食べられました。
 逃れられた三戒を守ると主張したカエルたちはみな、「三戒があってよかった」と思いましたが、現実は甘くありませんでした。ナパージュの生き残りはみなウシガエルの食用奴隷になりました。住む場所もエサも水もないところに追いやられてしまいました。
 デイブレイクや三戒守る派の元老カエルはというと、ウシガエルに協力し、奴隷にとどまりました。

「三戒」のおかげで、争いが全く起きずに、ナパージュは滅びました。

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