シリーズ『おすすめの1冊』第38回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。
今回は、以前ご紹介した百田尚樹さんの「日本国紀」と「カエルの楽園」をまとめてみました。
『日本国紀とカエルの楽園』百田 尚樹
日本国紀を読んで1か月後に副読本、2か月後にカエルの楽園を読んだ。この本はセットで買うことを強くお勧めする。日本国紀は通史だが、その大部分は江戸末期から平成に焦点を当てられている。そのため、日本の誤った自虐史観をただすために出された本といっても過言ではない。軽く触れておくと、アメリカなどとの戦争に負けた日本は、GHQの策略により二度とアメリカに戦争を仕掛けられないように「戦争は自分たちが悪かった」という思想を植え付けられた。それが、今の南京大虐殺や慰安婦、徴用工などの真相が錯綜している問題にも発展している。(かなり、省いたため日本国紀を読まないと、暴論のようにも聞こえるだろう。)
さて、今日では安倍首相が憲法改正を進めている。この憲法改正は賛否両論激しくぶつかり合っているわけだが、整理してみる。つまり、「中国や韓国が侵略してくる可能性(尖閣諸島や、竹島など)があるから抑止力としての軍事力が必要だとする9条改憲派」と「今の時代、侵略するなんてありえない。軍事を放棄した9条があるから戦争が起きなかったのになぜ改憲するのかわからない。安倍氏は国民に戦争をさせたいのだろうか。」とする意見である。
カエルの楽園は平和なナパージュ王国がウシガエルによって侵略される話である。ナパージュ王国には『三戒』というものがあり、「争うことをさけるべき、カエルはみんな友だちで話せばわかりあえる」みたいな文言である。三戒は絶対とされ、破れば重い罪となる。そしてカエルたちはこの三戒に振り回されていくのである。つまり、この三戒は日本国憲法であり、改憲をめぐる日本人や政治家たちの風刺作品となっている。
カエルの楽園登場人物
ソクラテス
主人公。国をダルマガエルに襲われ、楽園を求め旅に出る。途中で多くの仲間を失いながらもナパージュにたどり着き三戒に触れ、ナパージュの滅亡を見届ける。客観的な視点で三戒に疑問を投げかける。
ロベルト
ソクラテスの連れ。旅の生き残り。三戒を学び、自国にこの思想を持ち帰りたいと願う。途中、三戒を信じようとしないソクラテスと仲たがいする。
ローラ
三戒や謝りの思想をただただ受け入れている若いカエル。ソクラテスの「誰に謝り、何に謝っているのか」などの質問には答えられず、国の歴史を全く知らないナパージュの市民。合言葉は「三戒があれば大丈夫。」
デイブレイク
朝と夜に演説をする物知りカエル。それらしいことを言って、周りを同調させる力があり、権力を持つ。「近頃、若者の謝る心が足りないため、近隣のカエルが怒っている」と嘆く。三戒を最も愛するカエル。
鷹のスチームボート
カエルたちに罪の意識を植え付けた張本人である。実は三戒を与えたのもこの鷹で、もともとは自分に歯向かわないような思想を植え付けようとしたことが三戒の始まりである。実は、この鷹の存在がずっとナパージュに外敵が侵入してくるのを防いでいた。
ハンドレッド
三戒を馬鹿にして、国中から嫌われている。口は悪いが、ナパージュを本気で愛している。まさにハンドレッド (笑)
ハンニバル・ワグルラ・ゴヤスレイの3兄弟
力が強く、ウシガエルもビビる体格の兄弟。日々ウシガエルを監視しナパージュを陰ながら守っている。皮肉にも国を守ることが、三戒を破ることにつながったため、刑を受け死ぬ。
元老カエル
全員で7匹。彼らで開かれる会議は全く進まない。
プロメテウス
元老カエルのうちの1匹。ウシガエルがナパージュを侵略する可能性を見出し、三戒を破棄するように提案した。また、スチームボートに協力を仰ぐことで三戒を守りつつ国も守ることを提案するも、三戒守る派が喚き散らし断念。国民投票で負け、追放される。
ガルディアン
元老カエルのうちの1匹。三戒を守ることが国民よりも大事派。三戒をめぐってプロメテウスとたびたびぶつかり、暴れて強引に三戒を守り抜く。しかし、ウシガエルに対する対案は0。「ウシガエルは何もしてこないかもしれない。」とかいっちゃてる。現実は見ない主義。
ウシガエル
勝手にどんどんナパージュに入り込んでくる連中。数、力ではナパージュのカエルをしのぐ。少しずつ、ナパージュに入り込んでいった。勝手に侵入しておいて相手が手を出してきたら、謝れと言う。