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【シリーズ】おすすめの1冊『フォルトゥナの瞳』百田 尚樹

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シリーズ『おすすめの1冊』第40回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのは、映画化もされて今話題の百田尚樹さんの「フォルトゥナの瞳」。

目次

『フォルトゥナの瞳』百田 尚樹

 自分に自信のない好青年はある日、人の手が透明に見え始めた。それも、一人ではない。中には、完全に透けている人もいる。日がたつにつれて、死が迫っている人が透明に見えることに気が付く。ならば僕は、他人を助けることが運命なのだろうか。でも、他人の運命を生へと変えた瞬間、ぼくは吐き気と頭痛に襲われる。病院に行くと狭窄症と診断された。どうやら、人の運命を変えると心臓や脳の血管が損傷するらしい。だが、他人とは言え、死ぬとわかっている人を見殺しにするのはつらすぎる。脳裏には、葵の顔がよみがえる。人の命か自分の命か。「愛と運命の物語」。

 木山慎一郎という男は自分を卑下する。自分なんかが、幸せになんてなれない。とか、どうせ振られるから、休憩時間だけでも楽しく話せるからいいじゃないかなど、自分への評価が低い。そして、好意を寄せていた女の子は別の男と付き合い始める。そこでも、どうせ僕なんかが勝てる相手ではなかった。どうせ僕なんかが幸せにさせてあげることなどできない、などと漏らしている。でも、だんだんと気付き始める。自分は、相手を思って告白しなかったのではなく、自分が傷つくことを恐れていただけなのだと。
 鬱陶しいくらい、ネガティブな思考だが、実はとても仕事熱心で誠実なのである。その誠実さと自分への評価の低さが彼を苦しめていく。

 運命は変えることができるのか、それとも変わること込みで、運命と呼ぶのか。誰にも分らない。ただ、よく言われているように自分のしたことは悪いことにしろ、よいことにしろ、めぐりめぐって自分に返ってくる運命だということは結構本当かなと思う。

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