【シリーズ】おすすめの1冊『トワイライト』重松 清

こんにちは、りゅうまです。

シリーズ『おすすめの1冊」第47回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。

今日、ご紹介するのは重松清さんの「トワイライト」。

『トワイライト』重松 清

 26年ぶりに再会した、かつての同級生たちは40歳を目前にしている。26年ぶりに開けるタイムカプセルの中身に思いを巡らせる中で、最後の担任の手紙が見つかる。手紙は「皆さんはどうですか?あなたたちはいま、幸せですか?」で結ばれていた。沈黙が訪れる。この沈黙が、本音なのだろうか。それとも理想とは違う毎日ではあるけど、受け入れているということだろうか。

 当時、ジャイアンみたいだった徹夫は、逃げ道をつくる男になっていた。そして嫁に暴力をふるい、子どもとの関係も冷えていた。さらにその事実が徹夫をいらだたせる。
 真里子は同級生の徹夫と結婚した。かつて、好きだった同級生あの彼。でも結婚したのは同級生であっても違うこの彼。徹夫の暴力に耐える。でも、進歩していないのはお互い様。離婚にも踏み出せず、夫婦関係をよくしようともしていない。結局、自分と徹夫は似た者同士だろうなとあきらめる。
 主人公、克也は私立中学に進学するも、今はリストラ確実のサラリーマン。そして、子どもにも、嫁にもそれを言い出すことができない。
 彼らの昔抱いていた夢は、消え失せ各々に厳しい現実を歩んでいる。

 40歳を目前にした大人たちに成長はまったくなく、どこか諦めたような、でも受け入れているわけでもない悶々とした様子に、やるせなさを感じる。そして、逃げることばかり覚えていく彼らに、自分はそうなりたくないなという、不安が妙にリアルさを持ってぼくに付きまとってくる。

 高校生のネタローが心の底から湧き上がる「始めたい」気持ちをくれたなら、克也がくれたものは現実の大人たちは言っているほど強くないし結構、自分勝手っていう、後ろ向きで情けない事実と思っている。子どもにとってみれば、普段偉そうに叱ってくる大人の本音は聞きたくないかもしれない。でも、実はそんな大人の弱さを子どもが気づけたなら結構心が軽くなるのかな、とも思う。トワイライトの大人たちは、「成長」とは違うけど、前に進むしかないんだなと気付く中で、進まないことの限界とかも感じている。諦めたっていうネガティブな感情もあるけど、やっぱり前に進むしかないと気が付くのは、結局成長なのかなと思う。

 最後にちょっとくさいけど、思うのは20年後も、幸せでありたい。

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