シリーズ『おすすめの1冊』第59回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。
今日、ご紹介するのは、東田直樹さんの「自閉症の僕が跳びはねる理由」。
『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田 直樹
はじめに
自閉症とは、発達障がいの1つで脳の機能障がいです。症状としては、コミュニケーションが取れない、(重度であれば発語もなし)、強いこだわり、偏食などがあります。しかし、人によって、また重度か軽度かでも、でてくる特徴は変わってきます。
著者の東田直樹さんは重度自閉症の障がい者です。話せる言葉もありますが会話はほとんどできません。しかし、パソコンや文字盤ポインティングによりコミュニケーションが取れるのです。この本は、パソコンで本人が書いたものなのです。
発達障がいの方の行動を見て、なんでこんなことをするのかなあと思うことは多々あります。例えば、車をただ並べるだけの遊びをする自閉症の子どもは多いです。手を叩いて笑っている人を見かけた方もいると思います。パニックになって物を投げたり自傷行為をしたりしている姿をテレビで見た方もいるでしょう。それをみて、障がい者だから仕方がないと思うかもしれませんが、少し一歩進んで、なぜなのかと考えてみませんか?もちろん、本人も無意識にやっていることはあります。でも、理由もあるのです。
内容
東田直樹さんがさまざまな質問に答える形式です。
ひとりでいることが多いのは、自分のせいで他人に迷惑をかけていないかいやな気持にさせていないかが気になるからです。ぼくたちだってみんなと一緒がいいのです。
気になる音を聞き続けたら、自分が今どこにいるのかわからなくなる感じなのです。だから耳をふさぐのは、自分を守るためにする行動で、自分緒いる位置をはっきり知るためにやっているのだと思います。
好きでやっているわけではないのですが、やらないと、いてもたってもいられなくなるのです。少しだけ落ち着きます。でも、こだわりなんてやりたくないのに、やってしまう自分が嫌なのです。
もしそのこだわりで迷惑をかけているのなら止めさせて下さい。初めは大騒ぎするかもしれませんが少しずつ慣れてきます。
さいごに
もし、障がい者のイメージがよくないものだとしたら、それはきっとわからないからではないでしょうか。憶測ですが、「障がい」が怖い(もしくは嫌悪感すら抱いている人もいると思いますが)のではなく、「わからない状態」が怖いのではないのでしょうか。障がいのある方の気持ちや関り方がわかれば変わるかもしれません。