シリーズ『おすすめの1冊』第52回です。
僕がおすすめする本や、話題の本などをご紹介していきます。
今日、ご紹介するのは夏川草介さんの「本を守ろうとする猫の話」。
目次
『本を守ろうとする猫の話』夏川 草介
あらすじ
本好きの少年は、しゃべる猫に「本を助け出すためにお前の力を借りたい。」と言われる。不思議な空間で、本好きな少年が、ゆがんだ大人たちに本のあるべき姿を思い出させる。そんな物語だ。
昨今、速読術や本の読み方など自己啓発としての読書が流行しているようだ。だが本来、本を読むとはビジネスの道具なのか。ただ、自分の成長を助けるモノにすぎないのだろうか。次から次へと、いかに効率よく読み進めるかに重点が置かれてしまっている「情報社会」と言われる現代に、一石を投じる。
第一章「閉じ込める者」
第二章「切り刻む者」
第三章「売りさばく者」
感想
僕も最初は、一度読んだ本を読み返すことはないだろうと思っていました。時間の無駄だと思っていたし、読みたいとも思わなかった。でも、出会えたんです。繰り返し、読みたくなるような本に。それから、ぼくは繰り返しよむことが多くなりました。そして、この「おすすめの1冊」で紹介される本たちは、僕が繰り返し読みたくなるような本というわけです。もちろん、「おすすめの1冊 第1回 エイジ(重松清)」が今でも一番のおすすめです。
もし、あなたが「読んできた本の数」を重視しているのなら、「本を守ろうとする猫の話」を手に取ってみてください。「繰り返し読みたくなるような本に出合いたい。」と思えるかもしれません。